1979年公開の宮崎駿監督の映画デビュー作『ルパン三世 カリオストロの城』は、「ジブリの原点」ともいえる作品です。
でも、実は公式には“スタジオジブリ作品”には含まれていないんです。
え、なんで? 宮崎駿監督の映画なのに?
この名作が、どうして他のジブリ映画とは違う“別枠”扱いになっているのか、その理由をひも解いていきたいと思います。
また、ルパンシリーズの「宮崎作品」と「ジブリ作品」の違いについても、まとめています。
『ルパン三世 カリオストロの城』とは?制作概要をおさらい

『ルパン三世 カリオストロの城』
- 公開されたのは? 1979年(昭和54年)
- 原作者は? モンキー・パンチ先生の『ルパン三世』
- 脚本は? 宮崎駿監督、山崎晴哉
- 制作・著作権は?トムス・エンタテインメント(旧東京ムービー新社)
宮崎監督は、長年培ってきたアニメーターとしての技術や、物語をどう見せるかという演出力を、この作品で惜しみなく発揮したようです。
リアリティと躍動感溢れるカーチェイスや、繊細で美しい背景美術は、まさにアニメ映画の金字塔。
今も昔も変わらず高く評価されています。
『ルパン三世 カリオストロの城』はなぜジブリではないの?

『ルパン三世 カリオストロの城』がジブリではない理由
『ルパン三世 カリオストロの城』がなぜジブリではないかというと、
ジブリが生まれる前の作品だからなんです。
スタジオジブリは、1985年に徳間書店を母体として設立されました。
一方『ルパン三世 カリオストロの城』は、それよりも6年も前の1979年に作られて公開されているんです。
ジブリができる前の時代、宮崎駿監督や高畑勲監督は、それぞれ色々な会社のプロジェクトに単独で参加していました。
『ルパン三世 カリオストロの城』は「東京ムービー新社」という会社の中で作られた作品だったんですね。
つまり、もともと映画を作った会社が違います。
著作権も配給権もジブリにはありません。(著作権は東京ムービー新社⦅現トムス⦆配給権は東宝)
『ルパン三世 カリオストロの城』は、ジブリというブランドが存在していなかった頃の作品、という位置付けになっているのです。
『ルパン三世 カリオストロの城』が“ジブリ扱い”される理由
『ルパン三世 カリオストロの城』は純粋な「ジブリ作品」ではありません。
しかしながら『ルパン三世 カリオストロの城』は『ジブリがいっぱいCOLLECTION 宮崎駿監督作品集』に収録されています。
これがどういうことかというと、『ジブリがいっぱいCOLLECTION 宮崎駿監督作品集』はあくまで宮崎駿監督作品をまとめたパッケージだからなのです。
『ルパン三世 カリオストロの城』がジブリ扱いされるのは、マーケティング上の理由であって、「宮崎駿監督=ジブリ」というブランドイメージを活かす為だと思われます。
販売元は、ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社となっており、トムス・エンタテインメントライセンス契約を結んでいるようです。
商品パッケージ説明
『ルパン三世 カリオストロの城』から最新作『風立ちぬ』まで。
https://www.amazon.co.jp/%E5%AE%AE%E5%B4%8E%E9%A7%BF%E7%9B%A3%E7%9D%A3%E4%BD%9C%E5%93%81%E9%9B%86-DVD-%E5%AE%AE%E5%B4%8E%E9%A7%BF/dp/B00J2NZ9FW?utm_source=chatgpt.com
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【まとめ】『カリオストロの城』がジブリでない理由
制作時期・制作元の違い により、スタジオジブリ作品とは別プロジェクトとして生まれたから。
権利管理・配給ネットワーク が異なるため、ジブリ配給網には含まれません。
しかし宮崎駿監督ファンにとって、『カリオストロの城』は“ジブリの血を引く”と言っても過言ではない傑作ですよね。
『カリオストロの城』はジブリの前身ともいえる存在ですが、制作上の理由から「ジブリ作品」としては公式にカウントされていません。
それでも多くのファンの心の中では、ジブリ映画の一つとして愛され続けているようです。
大人も子供も楽しめる名作『ルパン三世 カリオストロの城』を次回鑑賞する際には、ジブリではない理由も楽しみながら、を味わってみてくだい。
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