当記事には、『天空の城ラピュタ』に出てくる愛されおじさん「ポムじいさん」について、まとめています。
ポムじいさんの名台詞「すまんがその石を しまってくれんか。わしには強すぎる 。」の意味って?
聞き取れないセリフや、そのセリフの意味とは?(「小鬼」「豪儀」「ラピュタ人」)
ポムじいさんの正体とは?
ラピュタ|ポムじいさんが「わしには強すぎる」と言うまで
ポムじいさんは、地下鉱山でパズーとシータに出会いました。
ポムじいさんは2人に、ハンマーで岩をかち割って、岩に含まれる飛行石の光を見せてやりました。
ポムじいさんは、岩とずっと一緒に過ごしているからか、岩の声を感じることができます。
シータが降ってきてから、石がザワめいていることにも気が付いていました。
それが、シータが飛行石を胸元から取り出したことで、石がざわついていた理由を知りました。
ポムじいさんは、
「こりゃあたまげた!あんたそりゃ飛行石の結晶じゃ…わしも見るのは初めてじゃ…」
と言ってとてもおどろきます。
飛行石に手を伸ばしかけたまま、ワナワナとふるえます。
しかし結局触れることはせずに、言いました。
「すまんがその石を しまってくれんか。わしには強すぎる 。」
ラピュタ|ポムじいさんの「わしには強すぎる」セリフの意味
「すまんがその石を しまってくれんか。わしには強すぎる 。」の意味。それは、
すまんがその石を しまってくれんか。飛行石に宿る不吉な力が強すぎて、悪寒が止まらない。
だと思います。
このセリフについての公式的な回答はない為、視聴者は様々な考察をしています。
解釈は人によりますが、だいたい3パターンあって、それは、
①飛行石の力が強すぎるので、しまってほしい。
②飛行石が欲しくなってしまうので、しまってほしい。
③飛行石の光が強すぎるので、しまってほしい。
というものです。
しかし正解に近いのは①だと思います。
というのもなぜなら、公式的な回答は無くても、公式が残したヒントはあって、絵コンテ『天空の城ラピュタ』を読めば、少なくとも③ではないことは、読み取れます。
②も苦しい、という印象というです。
セリフ①飛行石の力が強すぎる
飛行石の力とは、もっといえば、その飛行石の力というのは、"不吉な力"のことで、ポムじいさんは、
「すまんがその石をしまってくれんか。飛行石に宿る不吉な力が強すぎて、悪寒が止まらない。」
という意味で「わしには強すぎる」言ったのだと思います。
しかしそれは感覚的なものでしかないですし、人の物に対して、ハッキリそう伝えることはできなかったのはないでしょうか。
ここで、絵コンテを見てみましょう。
ここで注目すべきは、
「ポム さわりたいのです。しかし不吉なものを感じて触りたくない。でも夢中になってる。」
宮崎駿作 絵コンテ『天空の城ラピュタ』p218
という、記述です。
その後にも続いて、
“「すまんがその石を しまってくれんか。わしには強すぎる 。」”
“悪寒がした“
“冷や汗をぬぐい“
“(強い力を持つ石は、人を幸せにもするが不幸にすることもよくあるということ。シータの持つ飛行石の結晶は特に人の手が作り出したものなので気になるということを)簡単に言い出せない“
などと不穏な記述が続きます。
日常生活でも、"なんかイヤな感じ"がすることってありますよね。
つまりスピリチュアル的なことで、ポムじいさんは、飛行石の結晶から、イヤな気を感じたのではないか、と思うのです。
ポムじいさんは石の声を感じることに敏感でしたから、"霊感"ならぬ"石感"が強い人だったのでしょう。
ポムじいさんは、飛行石の結晶など目にするのは初めてだったけれど、その不吉な力が強すぎるので、触ることができなかった。
その不吉な力というのは、人間の欲望などの、負の気ではないかと思っています。怖いことを言うようですが、怨念のようなものです。
飛行石の結晶事態は美しくて罪のないものです。
けれどそこに人工的なものが加わったことによって、それはおぞましいものになってしまったのではないでしょうか。
シータの飛行石のペンダントは、シータの先祖が、世界を、圧倒的な力で支配する為に作り出したものなのですから。
結果、飛行石はこの先、軍隊など、たくさんの人の死をもたらすことになりました。
そうなることを、ポムじいさんはなんとなく予見していたのではないでしょうか。
セリフ②飛行石が欲しくなってしまう。
これは、"理性との闘い"という解釈です。
しかし絵コンテを読んだ後だと、少しずれているかな?という印象を受けますよね。
同書によるとポムじいさんは、シータと別れる頃には、シータのことがすっかり気に入ったようなのです。
しかしそんなに飛行石が欲しかったなら、ポムじいさんは、シータに対してそんなクリーンで穏やかな笑みが浮かべられたでしょうか。
早く、一刻も目の届かないところに行って、そしてもう会いたくない、と思うのではないでしょうか。
ワナワナしていたのが、葛藤であったとするならば、です。
それにそうだとするならば、
「強い石が人を不幸にすることはよくある~」
と話していたのも、親切心からというより、あわよくば、そんな不吉な石は手放して自分にちょうだい、という裏心があったみたいですよね。
セリフ③飛行石の光が強すぎる。
飛行石の光が眩しいのはそうだったと思います。
が、それが理由なのであれば、反射的なものなのでさっさと目を背けそうなものですよね。
「すまんがその石を しまってくれんか。わしには強すぎる 。」
なんて言い方も、分かりづらいのでやめて、となりますよね。
小まとめ
ということで、ポムじいさんの意味深な、
「すまんがその石を しまってくれんか。わしには強すぎる 。」
というセリフの意味は、
「その石には強い不吉な力が宿っていて悪寒が止まらないので、しまってほしい」
だったのではないかと思いました。
ラピュタ|ポムじいさんの聞き取れないセリフ(小鬼・豪儀・ラピュタ人)
セリフ①「小鬼」
これはポムじいさんの遊び心だと思います。
鉱山で出会ったかわいくて元気なクリーチャー!という感覚ではないでしょうか。
山に住む鉱山師は、人間でありながら鬼と呼ばれたところもあったらしいですが、これに由来しているかは分かりませんね。
セリフ②「豪儀」
(海賊と軍隊に追いかけられていると聞いて)「豪儀」(ごうぎ) 。
規模が大きく、派手ですばらしいことの意味。
つまり、これもユーモアですね。
セリフ③「その昔ラピュタ人だけが結晶にする技を知っていたと聞いたがな」
シータの聞き返す言葉がどうしても「ラピュタ人」に聞こえなくて「アビタ人?」と聞こえて紙で確認しました。
が、「ラピュタ人」で間違いなかったです。
ラピュタ|ポムじいさんの正体はラピュタ人
ポムじいさんの正体がラピュタ人の末裔だと思う理由。
それは、ポムじいさんの飛行石とラピュタに対する知識量です。
ポムじいさんは、作中で次のように発言しています。
その昔ラピュタ人だけが結晶にする技を知っていたと聞いたがな
ポムじいさんの祖先がラピュタ人の末裔で、ラピュタや飛行石の詳しい話については、先祖大体語り継がれてきたのではないでしょうか。
ただし、"ラピュタ人だった"ということを除いてです。
そうでないと、
「その昔ラピュタ人だけが結晶にする技を知っていたと聞いたがな」
なんて、サラリと口から出てこない気がします。
それに、知識量もそうですが、ラピュタは、パズーの父親が詐欺師扱いされて死んでしまう程に、一般的には信じられていない存在です。
ですがポムじいさんは、ラピュタの存在を信じて疑わない様子でした。
しかしポムじいさんは、自分がラピュタ人の末裔だというところまでは思うに至っていないのではないか、
という見解です。
↑これは、ポムじいさんの祖先かもしれません。
ポムじいさん一族は大体鉱山で働いてきていて、とある先祖は飛行石を採取し、その力で島を空を浮かばしたのかもしれません。
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