ラピュタにキツネリス…なぜ?ナウシカとのつながりや時系列は

風の谷のナウシカを観た人であればきっと、
天空の城のピュタ』にキツネリスが出てきたのを観て、

なぜ、ラピュタにナウシカのキツネリス?

テトとの違いは?

と、疑問に思ったのではないでしょうか。

当記事には…


・『天空の城ラピュタ』に『風の谷のナウシカ』のキツネリスが出てくるのはなぜなのか?

・『天空の城ラピュタ』と『風の谷のナウシカ』の世界観つながりはあるのか?時系列は?時代設定は?

ということなどについて、まとめています。

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ラピュタにキツネリスが出てきたのはなぜ?

ラピュタのロボットとキツネリス
映画『天空の城のラピュタ』ⓒスタジオジブリ

『天空の城ラピュタ』の観客動員に繋げる為

あらあら。

割とシビアな、現実的な理由だったのですね。

木原浩勝さん(宮崎駿監督と『天空の城のラピュタ』や『となりのトトロ』を制作した)は、
自身の著者『もう一つの『バルス』』の中で、
次のように語っていました。

 この過去のキャラクターの再使用はまさに失敗できない作品を作らなければ、という意思のあらわれであり、同様の理由から、認知されたキャラクターである『ナウシカ』のキツネリスの登場によって、少しでも観客動員に繋げたかったのではないかと思う。

木原浩勝著者『もう一つの『バルス』』講談社,85p

そう。

宮崎駿監督は、多くを語らない人のようで、
監督自身が、『天空の城ラピュタ』にキツネリスが出てくる理由について、
言及したわけではありません。

まあ、しかし木原浩勝さんがそう言うのですから、そうなのだろうと、思うわけです。

続いても引用させて頂きましたので、お読みください。

 僕が近寄ると、宮崎さんはちらっと1枚の動画用紙を手渡して、

こういうのを出しちゃダメなんですよ」という。

(だったら出さなきゃいいじゃないですか…)

 などと思いながら手にして動画用紙を見てギョッとした。大の字にネタシータとバズーの横に、『風の谷のナウシカ』に登場するトリウマ(馬の遺伝子を操作して作った鳥)のヒナと、王蟲の子供、その上にはキツネリスまで描かれている

「えっ!?『ラピュタ』の世界観は『ナウシカ』とは繋がっていませんよね?ここに出していいんですか?」

 思わず僕がそう聞くと、宮崎さんはいかにも、(そうなんだよねぇ)という苦い表情を浮かべて笑う。

木原浩勝著者『もう一つの『バルス』』講談社,185p

『風の谷のナウシカ』と世界線の繋がっていない『天空の城ラピュタ』に、キタキツネを本当は出しちゃいけないんだけど、

・・・でも、出したいんだよねえ。

という、宮崎駿監督の苦々しい葛藤が伝わってくるようですよね。

『天空城ラピュタ』の当初の動画用紙には、キツネリスどころか、トリウマのヒナや、王蟲の子供までもが描かれていたというのは、驚きですよね。

しかし『天空城ラピュタ』と『風の谷のナウシカ』の世界観は繋がっていないので、それはまずい。

だが結局キツネリスのみ残された。

ということだったんですね。

最後にこの項目をまとめると。

そしてそれは恐らく、少しでも観客動員に繋げたかった為でした。

当初はジブリに現在程に知名度はないですからね。

生き残る為に必死だったのでしょう。

「失敗は許されない」

ナウシカとキツネリス
提供:スタジオジブリ

なんでも、当時の宮崎駿監督の口癖ですが、

失敗は許されない

だったそうです。

危機感が、ひしひしと伝わってきますよね。

というのも、

ジブリが今後も存続していけるかどうかは、『天空の城ラピュタ』がヒットするかどうかに懸かっていた

というのです。

圧が半端ないですね。

まさに、生きるか死ぬかの瀬戸際です。

こんな状況にいたら、当然、使えるものはなんでも使おうと考えますよね。

それで少しでも話題になるならと、キツネリスを出すことを思い付いたのですよね、きっと。

それと思うに、それとほんの少しの遊び心です。天空の城ラピュタには、なんとトトロも出てきますからね。)

それから40年…

繰り返しになりますが、当時のジブリや宮崎駿監督の影響力は、『風の谷のナウシカ』がヒットしたとて、まだまだでした。

しかしそこから約40年。

2024年に公開されたジブリ最新作『君たちはどう生きるか』では、宣伝を一切しなかったことで、話題になりましたよね。

そんな大胆なことができたのも、今や世界のジブリであり、宮崎駿監督だからなのだと、感慨深いですよね。

なぜキツネリスは良くて、トリウマや王蟲はカットされたの

ナウシカと王蟲
提供:スタジオジブリ

素朴な疑問なのですが、これ、中々気になりませんか。

その理由は恐らく、

トリウマや王蟲を出すには、矛盾が多すぎるから

ではないかと思います。

と、いいますのも、

トリウマや王蟲には、人工的に作られた生物である、という設定があります。つまりトリウマや王蟲は、シータやパズーがいる時代よりずっと先の未来で作られた生き物であるはずなのですよね。

(時代設定についてはこの後、解説しますね)

そんなトリウマと王蟲らが天空の城のラピュタに出てきてしまったら…?

なぜ…?

天空の城のラピュタと、ナウシカの関係ばかり気になってしまって、作品に集中できないよ…!

なんてことにもなりかねません。

説明求められても困ります。

「観客動員のためです」

なんて、格好良いとはいえませんからね。

とらえようによっては、格好良いかもしれませんが。

しかしキツネリスであれば、どうでしょう。

キツネリスは自然な生き物ですから、その祖先が天空の城のラピュタにいたって、ありえる話で、納得しやすいです。

ですから、『天空の城ラピュタ』でトリウマや王蟲はカットされても、キツネリスは生き残ったのではないでしょうか。

ラピュタのキツネリスとナウシカのテトの違いは?

違いはない。ラピュタのキツネリスとナウシカのテトは同じ動物。

ここまで飛ばさずに読んできてくれたなら、分かることと思います。

つまり、ラピュタのキツネリスとナウシカのテトに違いはないのです。

違ったら、意味ないですからね。

ナウシカファン(テトファン)にも足を運んでもらって、観客動員数を増やしたい、という狙いがあるのでしょうから。

ラピュタとナウシカの時代設定や時系列は?

時代設定は、『天空城ラピュタ』…1868年~頃、『風の谷のナウシカ』…3800年~頃。(※推定。根拠は後述)

➡️『天空城ラピュタ』と『風の谷のナウシカ』には、
推定約2000年もの開きがあったのですね。

よって時系列は、『天空城ラピュタ』➡️『風の谷のナウシカ』の順、ということになります。

ラピュタの時代設定の根拠は?

パズーの小屋に飾られていた、今は亡き父親が撮ったという写真の右下に記されていた年号です。

パズーの父親が撮影した天空の城ラピュタ
映画『天空の城のラピュタ』ⓒスタジオジブリ

写真右下に、"1968,7"と記載がありますね。

ですから、
『天空の城ラピュタ』の時代設定は1968年~頃ということになります。

1968年ってどんな年?

1968年というと、日本ではちょうど明治元年に当たります。

明治時代は、学校教育が始まったり、電気の普及が始まったりという時代でした。

『天空の城のラピュタ』も、確かにこれからそういったことが始まっていきそうな予感がする雰囲気ですよね。

パズーのお父さんは、詐欺師扱いされたまま、亡くなってしまった、ということでした。

物悲しいですね。

パズーが実際にラピュタを目で見てこられたことは良かったですが。
しかし小説によれば、パズーはラピュタが本当にあったことを皆に話すことはしなかったそうです。
確かに話しても、父親と同じに詐欺師呼ばわりされることになったのではないでしょうか。

因みにパズーの年齢ですが、『ジブリ・ロマンアルバム 天空の城ラピュタ』によると、13歳だということです。

ナウシカの時代設定の根拠は?

コミック『風の谷のナウシカ』より
徳間書店『風の谷のナウシカ』(https://pbs.twimg.com/media/EqFN2g0VoAIa2RV?format=jpg&name=medium経由)

▲ナウシカの時代設定は、コミックの中で次のように説明されています。

しかし今が正確には何年なのか、特定するのとのできない書き方になっています。

おごおごしい書き方ですが、砕いて一言にまとめると、

昔、文明がものすごく栄えていたけれど、それは戦争によって失われ、今の今まで再建されることはなく、現在に至る。

といったことが書かれてあると解釈することができます。

つまり今は何年なのか、正確には特定することができないのですが、それでも与えられた情報の中から、3800年~頃であると推測することができます。

与えられた情報▼

  • ユーラシア大陸の西のはずれに発生した産業文明数百年後巨大産業文明が形成された。
  • 巨大産業文明1000年後に絶頂期に達した後に急激に衰退。
  • 「火の7日間」と呼ばれる戦争によって都市群は崩壊。
  • その後産業文明は再建されることなく、永いたそがれの時代を人類は生きている。←今ココ

⬇️

ユーラシア大陸の西のはずれに発生したという産業文明ですが、これは、1760 – 1840年に起こったイギリスの産業革命のことを指していると考えられます。

そこから数100年後に巨大産業文明が形成され、

1000年後に衰退した後、

人類は永いたそがれの時代を生きているということですね。

つまり『天空城ラピュタ』は現在(21世紀)より過去、
風の谷のナウシカ』は、現在(21世紀)より未来の物語なのです。

ラピュタとナウシカのつながりは?世界線は繋がってる?

映画『天空の城のラピュタ』ⓒスタジオジブリ

先述しましたが、
天空城ラピュタ』と『風の谷のナウシカ』の世界線は繋がっていないと考えることが妥当。

しかし、
両作にキツネリスが出ている以上、
世界線はやはり繋がっていたのだ、と解釈することもできる。

天空城ラピュタ』には、未来で作られたはずのトリウマや王蟲は出てきていません。

ですから、
両作の世界線が繋がっていたとて、それ程ややしいことにもならないでしょう。

しかしそうなると、
風の谷のナウシカ』では2度に渡って、文明が栄えては滅び、文明が栄えては滅んだりが繰り返されていたことになりますね。

それって、なんだか少し滑稽です。

が、歴史は繰り返すといいます。

ですから、それはそれで、理にかなっているのかもしれませんね。

ラピュタにキツネリス…なぜ?ナウシカとのつながりや時系列・テトとの違い【まとめ】

まとめ

天空城ラピュタ』に『風の谷のナウシカ』のキツネリスが出てきた理由は、
観客動員に繋げることが主な目的であったと思われます。

両作の世界観や世界線につながりはなかったものの、
天空城ラピュタ』のヒットにジブリの存続がかかっていた為です。

よって、『天空城ラピュタ』のキツネリスと『風の谷のナウシカ』のテト同じ動物です。

時代設定は、『天空城ラピュタ』が1868年~、『風の谷のナウシカ3800年~

時系列としては、『天空城ラピュタ』→『風の谷のナウシカ』の順です。

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