『天空の城ラピュタ』でパズーとシータが唱える、かの有名な「滅びの呪文」――バルス。
一部ファンの間では長年、トルコ語で「平和」を意味すると考えられてきました。
ですが、実はこれは誤解で、公式見解によると、ラピュタにおける本当の意味は、全く別ものだったのです。
本記事では、「バルス」の本当の意味や語源について、スタジオジブリの公式見解をもとに詳しく解説していきます!
『天空の城ラピュタ』の滅びの呪文「バルス」の本当の意味とは?
「バルス」の意味って、何なの?
実はこの疑問に、スタジオジブリ側からの“公式見解”が存在します。
ジブリ公式見解における「バルス」の本当の意味

ジブリ公式見解における「バルス」の本当の意味は、
ラピュタ語で「閉じよ」
でした。
これは、『天空の城ラピュタ』制作進行を務めた木原浩勝さん著『もう一つの「バルス」』(2016年)によって明かされたことです。
『天空の城ラピュタ』が公開されたのが1986年ですから、実に30年の沈黙を破って公になった新事実ということになります。
それまで「バルス」の意味といえば、トルコ語のBarış(バルス)で、「平和」であるというのが主流でした。
ですが、これが実は誤解。
木原浩勝さんは、宮崎駿監督の準備稿に「バルス(閉じよ)」と書いてあったことを、自著を通して述べたのです。
そもそも準備稿では「シータ『バルス(とじよ)』と書かれてある
https://topics.smt.docomo.ne.jp/article/buzzfeed/entertainment/buzzfeed-7731464
宮崎駿監督の絵コンテを見ると、必ず、映画を観ただけでは分からない真実や裏話が浮かび上がってきますが、あれと同じことですね。
もっとも、宮崎駿監督が「バルス」の本当の意味について、直接言及した訳ではありません。
しかし「バルス」が“口から出まかせ”のラピュタ語であることは、文春ジブリ文庫『 ジブリの教科書2 天空の城ラピュタ 』の中で、認めています。
「何もないです。口から出まかせです。なるべく英語でもなく、日本語でもないようなものを考えるんです。『テケレッツのパー』じゃまずいでしょう(笑)」
「バルス」を含むラピュタ語について「何か意味があるのですか?」という問いに対して。https://topics.smt.docomo.ne.jp/article/buzzfeed/entertainment/buzzfeed-7731464
世界には約7000語の言語があるといいますからね。
口から出まかせで何かを発言したとしても、何にもかぶらないというのは、中々至難の業なのでしょうね。
因みに、制作当時は多忙のあまり、「バルス」にどんな意味があるのか気に掛けるジブリスタッフはいなかったそうです。
もっとも、作品について多くを語らない宮崎駿監督のことです。
たとえ当時気に掛けていたスタッフがいたとしても、「バルス」の本当の意味を教えてくれていたとは考えにくいです。
また、今後、公式にその意味を明かす日が来るとも思えません。
だからこそ、スタジオジブリスタッフによる証言は、より貴重であると感じます。
映画を観るだけでは分からない『天空の城のラピュタ』の裏話は他にも


滅びの呪文「バルス」の本当の意味が「平和」なワケない理由

よく言われる“「バルス」の意味はトルコ語で「平和」”は誤りだというのは、前述した通り。
しかしそもそも、「バルス」の本当の意味が「平和」だと、ストーリーに矛盾が生じてしまうのですよね。
「バルス」は、ラピュタを破壊する呪文です。
シータは幼いとき、この呪文を、“決して使ってはいけない恐ろしい滅びの呪文”として教わりました。
なぜ恐ろしいのか。
ラピュタの城が崩壊してしまうから、というのはもちろん。
しかし本当に恐ろしかったのは、
ラピュタの城の崩壊=一族の失墜
を意味するからではないでしょうか。
シータの一族は、ラピュタ王家の血を継いでおり、かつては、ラピュタの城より世界を支配して栄えていたものと思われます。
きっとさぞかし良い暮らしをしていたのでしょう。
もし「バルス」(ラピュタの城が破壊されること)が「平和」だと考えていたならば、初めからラピュタの城など築かなければ良かった話です。
ですがそうではなかったので、「バルス」は一族にとって、“決して使ってはいけない恐ろしい呪文”だったのではないでしょうか。
現実問題として、一度甘い蜜を吸ってしまった人が、そこから抜け出すことは、中々容易なことではないですよね。
そう考えると、「バルス」の言葉の意味が「滅びよ」ではなく「閉じよ」だったのも、しっくりきます。
というのも一族にとってラピュタの城は、決して滅びて良いものではなく、もしあるとしても、封印するものでなくてはならなかったのではないでしょうか。
また、開くこともできるように。
『天空の城ラピュタ』で滅びの呪文「バルス」を使うまでのあらすじ
この項目では、
「そもそも『バルス』とは?」
「バルスは何の呪文で誰が言った?」
といった初歩的な疑問にもお答えしていきます。
『天空の城ラピュタ』で滅びの呪文「バルス」を使うまでのあらすじ
そもそも「バルス」とは何の呪文ですか?
「バルス」とは、天空の城ラピュタを崩壊させるための呪文です。
シータは幼いとき、この呪文を、“決して使ってはいけない恐ろしい滅びの呪文”として教わりました。
発動するには条件があり、それは、
- ラピュタ王家の血筋を継ぐ者であること使うこと
- 飛行石を手にしていること
の2つを満たしていることでした。
「バルス」の呪文は誰が言った?
シータとパズーが言いました。
ふたりは、ラピュタを利用し世界を支配しようするムスカの野望を打ち砕く為に「バルス!」と言いました。
そのとき、ラピュタにはムスカだけでなくシータもパズーもいました。
ですから、「バルス」はふたりにとって捨て身の技だったのです。
「バルス」と言った結果、どうなった?
ラピュタ
→崩壊。しかし基盤だけは残り、ロボットとキツネリスを乗せたまま、更に上昇していった。
(シータが彼らを物憂げに見つめていたことからも、彼らはその後どうなるの?と心配になるところ。だがラピュタは宇宙空間までは到達せずに、大気の存在する高度で飛び続けることになるらしい。エンディングでも、ラピュタは地上の町が見える空中に留まっていることが分かる)

シータとパズー
→大樹の根に引っかかり、一命をとりとめた。その後、ドーラー家に救出された。
ムスカ
→「目がー目がー」と苦しんだ後、ラピュタの破片と共に落下していった。
「バルス」は、『天空の城ラピュタ』の中でも、もっとも有名なセリフだといって良いと思います。
実際、2024年に同作が地上波で放送された際、X(旧Twitter)上で最も多く投稿されたワードも、この「バルス」でした。
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まとめ:「バルス」の本当の意味とは?公式見解あり【天空の城ラピュタの滅びの呪文】
『天空の城ラピュタ』で、パズーとシータが唱える滅びの呪文「バルス」。
トルコ語で「平和」を意味するなどと長年語られてきましたが、実はそれは誤解でした。
スタジオジブリの公式資料によると、「バルス」の本当の意味は――ラピュタ語で「閉じよ」。
これは、宮崎駿監督の準備稿に「バルス(とじよ)」と明記されていたことを、同作の制作進行を務めた木原浩勝さんが自著を通じて明かした公式見解です。
ラピュタの崩壊を意味する「バルス」は、単なる破壊の言葉ではなく、王家の終焉と封印を象徴する、深い意味を持った呪文だったように思います。
テレビ放送のたびに盛り上がる「バルス祭り」も、ファンにとっては外せない楽しみのひとつですよね✨
日常での「バルス!」のやりとりも、楽しいですね。
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