ジブリ映画『ハウルの動く城』に登場する"荒れ地の魔女"。
荒れ地の魔女は、物語の中で重要な役割を果たしていますよね。
荒れ地の魔女が心臓を返すシーンは、物語のクライマックスの一つであり、観客に深い感動を与えます。
本記事では、荒れ地の魔女が心臓を返した理由と、心臓を欲しがる背景について、公式回答より、考察していきます。
荒れ地の魔女のキャラクター(ハウルの動く城)
荒れ地の魔女は、強力な魔力を持つ魔法使いです。
ハウルの心臓を手に入れようとして、ハウルを探し回っており、ハウルに呪いの手紙を送ったこともあります。
荒れ地の魔女も、ハウルと同じように、悪魔の力によって強力な魔力を手に入れています。
荒れ地の魔女とハウルとは同士だというわけですね。
しかし荒れ地の魔女は、私利私欲の為に魔法を使う、悪い魔法使いだということで、サリマンにその力を無効化されてしまいました。
すると荒れ地の魔女にかけられていた若返りの魔法もとけ、彼女は本来の年齢に戻り、すっかりかわいいおばあちゃんになりました。
しかしおばあちゃんは、ハウルの心臓への執着を失ってはいませんでした。
ハウルの心臓をついに手中におさめると、「あたいんだ!」とだだをこねます。
しかしソフィーに「お願い」と言って抱きしめられた荒れ地の魔女は、「大事にするんだよ」と言ってハウルの心臓を返したのでした。
荒れ地の魔女はなぜハウルの心臓を欲しがる?
荒れ地の魔女がハウルの心臓を欲しがる理由は、
✔より強力になる為
✔より長く生きる為
ではないかと思います。
なぜかというと、荒れ地の魔女は、ハウルと同じように悪魔と契約しています。
しかし今日では、悪魔にほとんど乗っ取られた状態でした。
それなので、
ハウルの心臓を本当に欲しがっていたのは、荒れ地の魔女ではなく、悪魔の方だった
かもしれません。
少なくとも、原作ではそうでした。
荒れ地の魔女は、もう介護が必要になりそうなお年になりますからね。
荒れ地の悪魔は、次なる若い命を欲していたのではないでしょうか。
しかもハウルは強力な魔力の持ち主ですからね。
もしハウルを手に入れることができれば、更なる力を手にられることも期待できます。
荒れ地の魔女はなぜハウルの心臓を返した?公式回答より考察
荒れ地の魔女は、なぜあんなに欲しがっていたハウルの心臓を手放して返してしまったのでしょうか。
スタジオジブリのプロデューサーである鈴木敏夫は、その理由について、次のように述べていました。
鈴木さんの語る見どころ。「ハウルの心臓を手放さなかった荒地の魔女が、なぜ心臓を手渡したのか、わかりますか? 答えは、最後まで観ればわかります。台詞が一切ないところに注目です
スタジオジブリ公式X
※スタジオジブリ公式Xは現在では閉鎖されています。
荒れ地の魔女がハウルの心臓を返した理由について、公式はハッキリと述べてはいません。
が、ニュアンスで、なんとなく心の動き的なものであるということは伝わりますね。
しかし書籍『ジアートオブハウルの動く城』を読むと、その理由がハッキリと分かりますよ。
荒れ地の魔女がハウルの心臓を返した理由は、
彼女が、魔女から、おばあちゃんに戻ったから。
です。
以下、『ジアートオブハウルの動く城』の台本より引用です
"抱き締められてある荒れ地の魔女、戸惑い、迷い、温かい思い"
"荒れ地の魔女、まるで孫に言う祖母のように"
"ソフィー、孫娘のように頷く"
荒れ地の魔女はソフィーに抱きしめられて、温かい気持ちになったんですね。
このとき、荒れ地の魔女はすでに悪魔から解放されていたはずです。
しかし、悪い魔女として生きてきた荒れ地の魔女は、悪魔から解放されたとて、心が満たされることは難しかったのではないでしょうか。
それで、(ハウルの心臓を手に入れれば満たされることができる)といった強い想いは、彼女の長いに残り続けたのではないかと思うのです。
しかし荒れ地の魔女は、ソフィーに「おばあちゃん」と親しみを込めて抱きしめられたことによって、心が温かくなり、満たされた。
それで、ハウルの心臓は、もう必要なくなったのではないでしょうか。
奪う存在から、与える存在になったのではないでしょうか。
荒れ地の魔女は、このときようやく、本当にふつうのおばあちゃんに戻れたように思えますね。
まとめ
荒れ地の彼女は、ハウルの心臓を手に入れることで、自らの力を強化しようとしました。
しかしその背後には、彼女自身の孤独や悲しみが隠されていたようです。
荒れ地の魔女の心臓への欲望は、単なる力の象徴ではなく、愛や、人間関係への渇望が反映されていたように思います。
心臓は、感情や愛の象徴です。
荒れ地の魔女がハウルの心臓を返す理由は、それらを手に入れることができた為に、必要なくなったからでしょう。
荒れ地の魔女は、ハウルの心臓を返すことで、自身の本来の人間らしさを完全に取り戻したようです。
ソフィーと、ハウルと、マルクルと、カルシファーと、家族としてずっと仲良く平和に過ごしてもらいたいですね。
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