『君たちはどう生きるか』世界興行収入ランキング|中国が売上トップで脅威の100億超

『君たちはどう生きるか』世界興行収入ランキング

ジブリ映画『君たちはどう生きるか』は2023年7月に日本で公開されて以来、世界各市場で上映され、続々と興行収入を拡大中です。

中でも、中国における大ヒットが際立ち、その売上は100億越えの驚異的な成績をマークしました。

本記事では、

  1. 『君たちはどう生きるか』世界興行収入ランキングを紹介するとともに、
  2. 「なぜ当映画が中国でこれほどの動員を生んだのか」を分析し、
  3. また、中国での口コミも、紹介していきます。
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ジブリ『君たちはどう生きるか』世界興行収入ランキング(全32か国⦅地域⦆)

まひとたくさんのカラフルなインコ
出展:スタジオジブリ

ジブリ『君たちはどう生きるか』を上映した国・地域は、全部で32あります。

その中で中国が、原産国である日本をおさえて、世界興行収入ランキング1位という結果になりました。(単位:ドル)

順位国・地域興行収入1ランク
1中国$108,887,000(2157億8275万7000円)176位
2日本$ 60,711,168(87億9887万6600円)98位
3北米(米国+カナダ)$ 46,832,867(67億8793万9900円)2,025位
4韓国$ 14,888,624433位
5フランス$ 12,045,627663位
6イタリア$ 7,438,825566位
7イギリス$ 5,605,6921,510位
8ロシア/CIS$ 5,384,324802位
9ドイツ$ 3,916,1341,509位
10メキシコ$ 3,664,8471,060位
11オーストラリア$ 3,228,2911,485位
12香港$ 1,711,426625位
13スペイン$ 1,673,5262,166位
14オランダ$ 1,551,2051,103位
15コロンビア$ 1,287,049516位
16ベトナム$ 513,913407位
17ノルウェー$ 490,7181,307位
18ニュージーランド$ 458,9591,408位
19チェコ共和国$ 299,0691,136位
20アラブ首長国連邦$ 296,9711,891位
21ハンガリー$ 278,6101,127位
22ポーランド$ 260,9372,303位
23ポルトガル$ 244,5721,629位
24トルコ$ 207,2942,336位
25ルーマニア$ 148,6431,122位
26ブルガリア$ 137,731898位
27スロバキア$ 74,5361,293位
28南アフリカ$ 66,5712,606位
29クロアチア$ 46,8731,543位
30スロベニア$ 34,6401,443位
31アイスランド$ 19,9472,177位
32セルビア・モンテネグロ$ 15,5971,675位
  1. ランクとは、その国内の市場で興行成績を記録した全作品の中で、何番目にランクしたか、という意味。 ↩︎
  2. 2025年時点でドルから円に変換した場合。 ↩︎

以上のランキングは、ご覧の通り、絶対評価によるものです。

ですが、これを相対評価で見たい場合、興行収入順ではなくランク順で考えます。

そうすると…

順位国・地域興行収入ランク
1日本$ 60,711,16898位
2中国$108,887,000176位
3ベトナム$ 513,913407位

以上の通り、日本が1位になりました。

まとめると、売上は中国が1位ですが、映画を観た国民の割合で考えると、日本の方が高いということですね。

このことは、日本の国民の数がおよそ1億人であるのに対し、中国の国民はおよそ14億人であることを考えれば、頷けるかと思います。

しかしそれでも中国の興行収入157億円超えと、ランク順2位は、見過ごせない売上です。

次の項目では、なぜジブリ『君たちはどう生きるか』の世界興行収入1位が中国なのか、その理由を深堀りしていきます。

ジブリ『君たちはどう生きるか』の世界興行収入ランキング1位がなぜ中国なのか

中国の映画館のイメージ画像
https://ghiblist.com

なぜ中国が、ジブリ『君たちはどう生きるか』の世界興行収入ランキング1位なのか?

考えられる理由をまとめました。

  • 大型連休の効果
  • 「宮崎駿監督の最後の作品」だという宣伝効果
  • ジブリブランドの圧倒的訴求効果

①大型連休の効果

『君たちはどう生きるか』は中国では4月初旬の清明節(日本でいうお盆)に公開されました。

3連休に合わせた公開が、動員を後押ししました。

②「宮崎駿監督の最後の作品」だという宣伝効果

『君たちはどう生きるか』は中国では、「宮崎駿監督の最後の作品」などという触れ込みで、観客を呼び込みました。

観客は、(宮崎駿監督の最後のメッセージをしっかりと受け止めなければ)という思いに駆られ、映画館に足を運んだようです。

『君たちはどう生きるか』中国版ポスター
出典:https://www.imdb.comⓒスタジオジブリ
中国のポスター。

上記は、『君たちはどう生きるか』の中国版のポスターです。

視聴意欲を搔き立てられるような、良いポスターだと思います。

ジブリブランドの圧倒的訴求効果

出展:左/スタジオジブリ、右/https://www.oricon.co.jp/
まひとと宮崎駿監督。まひとのモデルは宮崎駿監督自身だという。

中国では約10年前まで、外国映画の上映枠が非常に限られていて、ジブリ作品はほとんど劇場公開されていませんでした。

中国で初めて正式に公開されたジブリ映画は、日本での公開から4年遅れの1990年に上陸した『天空の城ラピュタ』です。

その後も『となりのトトロ』が日本公開から30年遅れての2018年、『千と千尋の神隠し』が、18年遅れの2019年にようやくスクリーンで流されました。

このことからも想像ができるように、スタジオジブリの作品は、中国では、正式な配給ルートでは広く公開されてきませんでした。

しかし2000年代以降になると、多くのファンがインターネットや海賊版を通じて、ジブリ作品に親しんできました。

宮崎駿監督はその功績から中国で、「アニメ映画の礎を築いた第一人者」として幅広い世代に支持されています。

ジブリ『君たちはどう生きるか』の中国人の口コミ

続いては、『君たちはどう生きるか』を観た中国人の反応について紹介します。

中国最大の映画レビューサイト「豆瓣(Douban)」では、約40万件のレビューが寄せられた結果、10点満点中平均7.5点となっています。

これは、他のジブリ作品に比べると低く感じられる結果です。

例えば、『ハウルの動く城』はレビュー数が120万件を超えていますが、平均点は9.1と非常に高い評価です。

しかし、『君たちはどう生きるか』の星3以下の低評価レビューの多くは、中国で正式公開される前に書かれたものだという背景があり、内容を理解できず戸惑っている声が目立ちます。

同サイトより、口コミの一部を紹介

映画が終わった後、ズボンのポケットから取り出したチケットの半券は、映画から取り出された積み木のようなものだ。

…ウーン、おしゃれ!

私は本当に宮崎駿さんを尊敬しています。80歳を超え、戦争や石油危機、バブル崩壊などを経験した後でも、「たとえ世界が傷だらけでもあの世界に戻らなければならない」と言えるその姿勢には驚嘆せざるを得ません…。

世界に対する疲れも感じられるこちらのコメント。

宮崎駿監督を本当に尊敬しているというのは、同じ日本人として、うれしいですね。

宮崎駿監督らが生み出す名作は、日本と世界とを繋ぐ架け橋になってくれていると感じます。

この新作には過去の作品の影が多く見られます。例えば、この塔は『千と千尋の神隠し』の銭湯のようで、特に外壁を登った時に目に映る海のシーンは、千尋の寝室の外の海のように見えます。あの世に漂う魂は、『もののけ姫』に登場する木の妖精を彷彿とさせます。マサトとサギが異世界でナツコを探している時に森を飛んでいる虫は、『風の谷のナウシカ』に出てくる飛んでいる虫と同じである。分娩室で人々を襲った紙幣は、『千と千尋の神隠し』でハクを襲った紙人形と同じものだった。

中国人も、日本人と同様に当映画に過去作のオマージュを感じていたという点には、ハッとさせられます。

これらは、当然ジブリの過去作観ていないと抱けない感情ですからね。

ジブリ作品への強い愛を感じますね。

インコの空間は完全に軍国主義的、人食い社会です。ペリカンと比べると、インコの建物や器具、さらには姿形にも人間の痕跡が色濃く残っています。手に持った調理器具の助けにより、「食べる」という行為の暴力性がより顕著になります。ペリカンのいる空間では、道具を使っているのは人間だけですが、インコはナイフやフォークなどあらゆる種類の台所用品を使い、それらを武器として使うことができます。唯一無二の「王」への熱狂的な崇拝と、隊列を組んで歩くガチョウ足行進は、どちらも戦時中の日本を彷彿とさせます。

中国人も、日本人も、やること(考察)は変わらない。

感じたことは、考察の内容より、そういうこと、つまり、国が違ってもやることは同じだということです。

人間含め、動物というものは、考えるので愛しいですね。

まとめ(あとがき)

まとめ

ということで、ジブリ『君たちはどう生きるか』は、日本国内のみならず、世界中で高い支持を獲得しています。

とりわけ中国市場では、売上ランキングが俄然トップで150億円超えという結果に。

さすが世界の宮崎駿監督としか、言いようがありません。

今後も、世界各地の動向から目が離せません。

参考:
Box Office Mojo(https://www.boxofficemojo.com/title/tt6587046/?ref_=bo_tt_ti)
東洋経済(https://toyokeizai.net/articles/-/746710?page=4)
BBCNEWSJAPAN(https://www.bbc.com/japanese/articles/c724n3e9jm3o)

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