ジブリの名作『ハウルの動く城』は、ファンタジーの中にも深いテーマが込められていることを感じますよね。
本作のヒロインとヒーローであるハウルとソフィーは、年齢も性格も大きく異なります。
そんな2人の関係性は、観ていてワクワクさせられます。
本記事では、ソフィーとハウル、2人の年齢差や年齢が変わる理由について、詳しく解説していきます。
公式回答を引用しながら解説していくよ
ハウルとソフィーの年齢設定と年齢差!~公式回答と考察~

・ハウルの年齢設定…27歳
・ソフィーの年齢設定…18歳
ハウルとソフィー、その年齢差はズバリ9歳!
その年齢差、およそ10歳ですね。
ハウルとソフィーは、約一回り年齢が違うということになります。
18歳から見た27歳は、ずいぶん大人に感じられたことでしょうね。
しかし27歳から見た18歳は、さすがに若いなという感じでしょうが、ちょっと年下くらいに感じて、親近感を感じるくらいかもしれないですね。
なぜなら月日が経つのは、大人になればなるほど速く感じられるものだからです。
年齢差から見るソフィーとハウルの関係性と成長

物語の中で、
ハウルは、心が子どものまま大人になってしまった青年、
ソフィーは、心が老いてしまっている少女として描かれています。
つまり2人は正反対なんですよね。
足して2で割るとちょうど良さそうです。
ですが2人は、実際に交流を通じて、成長して、心が大人になったり、年相応の若々しさを手に入れたりしました。
ハウルの城に突如として現れた洞窟ですが、あれは、ハウルの心の中を表わしているのだそうですよ。

洞窟にはおもちゃがいっぱいで、ハウルが精神的に子どもである様子が描かれていました。
一方ソフィーは、自分は老いていると感じていた為に、自己暗示にかかって、見た目も老け込んでしまったのだそう。
映画では伝わりにくいですが、ソフィーには実は魔力があった為です。
- ソフィーの成長
- ソフィーは初め、控えめで、真面目で、ネガティブで、人生を楽しむことが苦手そうな印象でした。
しかしおばあちゃんに変化したことによって、自我から解き放たれ、積極的な性格へと成長します。
- ソフィーは初め、控えめで、真面目で、ネガティブで、人生を楽しむことが苦手そうな印象でした。
- ハウルの成長
- ハウルはソフィーとの出会いによって、逃げてばかりの人生から、他者の為にとどまって行動する姿勢を見せるようになります。
ハウルとソフィーの年齢差は、物語のテーマである「成熟」や「成長」に影響を与えています。
ソフィーが若返る・年齢が変わる理由とは?~公式回答と考察~

「自分という存在に自信が持てなかったソフィーが、姿形が変わったことを幸いに、自分自身から逃げようとしていたと解釈すれば、気分によって年齢が上下していたのも納得できる。そして最後に、ソフィーは自分自身を取り戻し、年齢の変化もなくなったのだ。」
「ソフィーの姿は、彼女の心の持ちようで18歳から90歳までの間はころころ変わるようになり、呪いの効力は薄れていった印象がある。ここで思い出したいのは、かルシファーが最初に見たときにもたらした『こんがらがった呪いだね』という一言だ。”こんがらがった”という言い方は、荒れ地の魔女がかけた呪いに上乗せして、ソフィーが自分自身に暗示をかけてしまったとも捉えることもできるのではないだろうか。」
(以上、ジブリ関連書籍ロマンアルバムより引用)
宮崎駿監督いわく、「人間は気持ち次第で年齢が変わる」ということです。
確かにそのとおりですよね。
ソフィーは、自分に自信を持ったり、ときめいたりすることで若返っているようです。
気持ちがイキイキとして若返るのですね。
このソフィーの若返りが始まったキッカケですが、宮崎駿監督が城をイキイキとするソフィーを描いていると、ソフィーの腰が自然と伸びていたというのが、始まりだったということです。

という裏話からも分かるように、ソフィーの年齢がコロコロ変わるというのは、ジブリオリジナルの設定です。
原作には見られません。
ソフィーには魔力がある

ソフィーの言葉には魔力があります。
カルシファーやハウルが、契約を解除されても生きていられたのは、この為です。
ソフィーがおばあちゃんになったきっかけは、荒れ地の魔女の呪いによるものでした。
が、その呪いの効果は途中でとっくに切れていて、その後は自己暗示によって、おばあちゃんになったり若返ったりと、年齢が変わっていたとうことのようですね。
例えばソフィーは、ハウルの城にやってきた当日は、眠りに落ちてもおばあちゃんのままでしたよね。
カルシファーの火でようやく暖をとることができて、ホッとしたような穏やかな表情で眠りに落ちていました。
しかしそれが中盤になると、ソフィーは寝ている間元の娘の姿に戻っているではありませんか。
何も考えていない間は、自己暗示にかからない、という描写だったのではないでしょうか。
他にも、ソフィーが一気にぐんと若返ったのは、彼女がサリマンに向かって堂々と自分の意見を述べているときでしたね。
おばあちゃんになる前は、抑圧されて生きづらそうに見えたソフィーでしたが、そのとき彼女はとてもイキイキとしていて輝いて見えましたね。
ハウルの若さの秘密

ハウルは27歳ということでしたが、年齢以上に若々しく見えます。
カルシファーとの契約によるストレスを溜め込んで老け込んでも良さそうなものですが。
ハウルは、ダメ男をコンセプトに描かれています。
ハウルは社会と積極的に関わりたがりません。
また、ハウルの魔女避けグッズは、若者がフィギュアを集める感覚と似ているのだとか。
料理はできますが、部屋も片付けられていませんでしたね。
⇩片手で卵を割るハウル。相当沢山の卵を割ってきたのでしょう。

荒れ地の魔女は、魔法を使って、自分の年齢を実年齢以上に若く見せていました。
そうするとハウルも、同じように魔法をつかって自身を若く見せることができるはずです。
ですがハウルは、カルシファーと契約を解除した後も、変わらず若くそして容姿端麗のままでしたね。
ということでハウルが美男子で若々しいのは、どうやら自前だったらしいです。
ハウルは自由奔放で、それに本来やさしくて純粋な人のようですから、それらが良かったのかもしれませんね。
『ハウルの動く城』原作と映画の違い
『ハウルの動く城』の原作小説と映画版では、当然ながら違いが見られます。
年齢差から見る原作と映画の違い
例えば原作でソフィーおばあちゃんは、よりおばあちゃんらしく、ハウルは、よりダメな若者―クズ男として描かれているようでした。
しかし映画ではどうでしょう。
おばあちゃんは時折若返りますし、娘の年齢に戻ったときにも、ハウルの若々しい美貌もあいまって、2人の年齢差はあまり感じられませんよね。
その分、2人の関係性や感情の変化に焦点が当てられているようです。
その他の違い

原作より映画版のハウルの方がダメ男じゃない。
むしろ映画版ハウルは大人びているようで、ダメ男といえるのか…とも感じるくらいですが、いかがでしょうか。
原作版ハウルは女たらしですが、映画版ハウルは紳士的に感じます。
また、戦時中というのは映画版オリジナルの設定ですが、戦争に反対するハウルは、大人びていますよね。
ただ、サリマンのところに自分が行く代わりにソフィーに行ってもらおうとする様は、まるで母親になんでもやってもらおうとする子どものようでしたね。
しかしその後。
ハウル自身もソフィーの元に現れて、サリマンと対峙するというシーンは、やはり映画オリジナルのものですが、やはり立派な印象を受けます。
唯一、髪がうまく染まらなくてひどく落胆するシーンは、原作同様、思春期の子供のようだと思いました。

まとめ

ソフィーとハウルの年齢差や、ソフィーが若返ったり年老いたりして年齢が変化する理由は、物語全体を理解する鍵となる重要な要素です。
それらはハウルとソフィーの成長や関係性を際立たせ、視聴者に大きな感動を与えます。
『ハウルの動く城』を次に観る際には、ぜひ2人の年齢や年齢差、そして精神的な成長の部分に注目してみてください。
新たな視点で見る物語は、新たな発見や楽しみをもたらしてくれることでしょう。
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