ハウルの動く城「探したよ」と「指輪」のシーン意味、伏線を考察

スタジオジブリの名作『ハウルの動く城』は、美しいアニメーションと深い物語で、多くのファンを魅了しています。

その中でも、ハウルがソフィーに言う「探したよ」というセリフと指輪のシーンは、特に印象的です。

このシーンには、物語全体を深く理解する上で、重要な意味が隠されています。

本記事では、この「探したよ」というセリフと、指輪のシーン意味、そして伏線としての役割について考察します。

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ハウルの「探したよ」という台詞に隠された意味と伏線

ハウルとソフィーの空中散歩
提供:スタジオジブリ

ハウルの「探したよ」というセリフの意味ですが、これは、ハウルがこれまでずっとソフィー探し求めていたことを暗示しています。

この「探したよ」というセリフは、一見、ナンパされ困っていたソフィーを助ける為に発されたセリフのように受け取れます。

しかしこの「探したよ」というセリフには、本当は、それ以上の意味が隠されていたのです。

それは何かというと、「探したよ」という言葉の意味通り、ハウルは本当にこれまでずっとソフィーを探していた、ということなのです。

これがどういうことかというと、つまり、ハウルはソフィーと会うのがこれが初めてではありませんでした

ハウルは、すでに少年時代にソフィーと出会っていたのです。

作中、ソフィーが、ハウルからもらった指輪に導かれてタイムスリップし、少年時代のハウルに出会うシーンがありますね。

あのシーンです。

少年時代のハウル
提供:スタジオジブリ

ソフィーは、「未来で待ってて!」とハウルに呼び掛けていました。

大粒の涙を流すソフィー
提供:スタジオジブリ

そのときからハウルは、ずっとソフィーを探していたということなのです。

そしてようやくソフィーを見つけることができました。

それで、

探したよ

というセリフが出てきたというわけだったのです。

ソフィーとハウル(がやがや町にて)
出展:https://www.imdb.com

このように、ハウルが指輪に導かれソフィを見つけたシーンは伏線となっており、今度はソフィが指輪に導かれハウルを見つけたシーンで、回収されたというわけでした。


ハウルとソフィーの指輪のシーンの意味と伏線

ハウルの指輪
出展:https://www.imdb.com

ハウルの指輪(ソフィーに渡した指輪)には、自分が望んだ目的地までを光の筋で照らしてくれる魔力がこめられています。

この指輪があれば、効率良く、行きたいところにいけるし、会いたい人にも会えるというわけですね。

この指輪は恐らく、ハウルがソフィーを探し出す為に、長い月日年月をかけて発明した魔法のアイテムだったのではないでしょうか。

物語の中で、この魔法の指輪が、目的地を照らしたシーンは全部で3回あります。

振り返ってみよう

ハウルとソフィーの指輪が光るシーン【まとめ】

①ハウルがソフィーを探し出すシーン

兵士に絡まれるソフィーを助けるハウル
提供:スタジオジブリ

まず1回目は、ハウルがソフィーを見つけて、「探したよ」というシーンです。

あのシーンで、ハウルの指輪は輝いていました。

恐らく、あの指輪がソフィーがいるところまで、導いてくれたのではないでしょうか。

②ソフィーがハウルの城に帰るシーン

サリマンの追手から逃げるソフィーたち
出展:https://www.imdb.com

そして2回目は、ソフィーがサリマンの城からハウルの城に帰るシーンです。

ソフィーは、サリマンのところに向かう際、ハウルから「お守り」だといって指輪を渡されます。

その指輪は、ソフィーがサリマンからの攻撃をかいくぐって城に戻る際の道しるべとなって、お守りの役目を十分に果たしました。

このシーンで、視聴者は指輪には目的地を照らしてくれる効力があることを知ります。

③ソフィーが少年時代のハウル(カルシファーと契約を結ぶ前のハウル)に会いに行くシーン

タイムスリップするソフィー
提供:スタジオジブリ

そして最後は、ソフィーがハウルの子供時代にタイムスリップするシーンです。

ソフィーは、ハウルに会いたいと強く望みました。

そして、ハウルが生きてくれることを強く望みました。

そうするにはソフィーが、ハウルとカルシファーの契約を破る方法を知らなくてはなりません。

そこで指輪は、ソフィーを過去に誘い、カルシファーと契約した瞬間のハウルに引き合わせたのではないでしょうか。

指環はそれでついに力尽きたのか、それともあるいはもう役目を終えて必要なくなったからなのか、砕けて消えてなくなります。

ソフィーは子供のハウルに「未来で待ってて!」と叫びましたね。

そしてソフィーは、ハウルがずっと自分を待っていてくれていたことを知りました。

そのことに気がついたソフィーは、「ずっと待っていてくれたのにグズでごめんね」と言ってボロボロ大粒の涙を流します。

このシーンにて、伏線(ハウルの「探したよ」と光る指輪)は回収されました。

ハウルの「探したよ」というセリフと指輪のシーンは、物語の伏線として、巧妙に機能していたことが分かりますね。

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原作と映画の違いを比較(「探したよ」と指輪)

ハウルの指輪
出展:https://www.imdb.com

『ハウルの動く城』の原作は、ダイアナ・ウィン・ジョーンズによる同名の小説です。

映画版と原作小説では、ストーリーやアイテムの役割が大きく異なるところがあります。

本記事のテーマとなっている「探したよ」と道しるべとなる光る指輪ですが、原作にはなく、スタジオジブリの完全オリジナルの設定となっています。

ということで、原作には、ソフィーが過去にタイムスリップして、少年時代のソフィーと出会うというシーンも、もちろんありません。

原作はやはりオリジナルなわけで、原作には原作にしかない良さがあります。

が、「探したよ」だの「光る指輪」だの、これらのロマンティックさは、映画の中でしか味わうことができません。

映画を観たら、ぜひ一目おいて観てみてほしいシーンですね。

まとめ

ハウルの動く城
提供:スタジオジブリ

ハウルの「探したよ」というセリフ、そして指輪の役割に注目することで、『ハウルの動く城』より深く楽しむことができるでしょう。

それらは、物語の核心を成す重要な要素のひとつとなっているからです。

この記事を読んで、もう一度新たな視点で『ハウルの動く城』を楽しんでいただけたら幸いです。

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